oregairu

 

さてさて毎回お馴染みのエンタメ紹介のコーナーですが、今回は最近メディアでも騒がれて
いた「俺ガイル」です。2014年度このラノベがすごい!の1位にもなった原作をアニメ
化したもので、僕は原作読んでないんですがアニメを一気に見させてもらいましたー。

原作の方が評価高いみたいなんであくまでアニメを見た上での感想になりますが、この作品
よくある学園モノとは少し違った味をもっていました。てか学園モノって基本どれも同じと
いうか、主人公がいてヒロインがいてドタバタしてはい終わり。みたいなテンプレ展開だと
思うんですが、どうせそんな感じのだろうな思って見たので良い意味で裏切られました。

 


まずタイトルにラブコメとか入ってるけどラブコメ要素ほぼ皆無


じゃあどうゆう展開なわけ?って話ですが、このアニメは基本的に「主人公」に思いっきり
焦点を当てたストーリー展開をします。普通は主人公の周りのヒロインとかキャラクターが
魅力的に映るように構成されますが、僕の中では主人公がひたすら魅力的すぎました。

というのも、残念系とか言われるだけあって主人公はいわゆる友達いない系の「ぼっち」と
いう設定。でも本人がそれを受け入れて、むしろぼっちを望んでやっているという捻くれっ
ぷり。いわゆる「リア充」とは真逆の人生を幼少から送ってきた完璧なる「ぼっち」による
人間分析がとにかく面白かったわけです。

タイトルから見ると色々間違っている主人公が少しづつ公正していく、みたいな展開が予想
されますが全くの真逆。むしろ主人公は最初から何一つ間違っていないと僕は思いました。
それがこの作品の見所です。こういう立場の人間からしか見えない風景がある、という独自
の視点や思考回路が見ていて色々勉強させられました。

 


こうゆう人間いるいる的な感じで色んなタイプの人種が登場する


このアニメの何が面白いって、結論から言うと「限りなくリアルに近い2次元」ってとこだ
と僕は思うんですよ。普通アニメとかマンガってどう考えてもありえねーだろってタイプの
キャラクターが活躍するイメージですが、この作品はキャラがそれぞれめっちゃ人間的です。

集団の中にいるからこそ周りに合わせることしかできなくなった人、才能あふれるが故に周
りからの嫉妬やいじめの対象になった人、基本的にいいやつ系で常に周りに人が集まってく
るからこそ全てが奇麗ごとな人、とか色々。作者は人間ってのをよく分かってるなーと。

oregairu

 

いや、ほんと完全に僕の主観的な意見ですけど人間ってそんなに複雑な生き物じゃないと思
うんですよ。こういう人はたぶんこうなったらこうするだろうなー。とか良く見てると分かる
ものだと思うんです。僕もそういうのが少しづつ分かるようになったのは大学卒業する頃とか
でしたから、中学生や高校生にとっては全然イミフなことかもしれません。

特に「楽しい」ってのは素晴らしいことである反面、あらゆるモノを見えなくさせる欠点も持
ち合わせています。それは人の心だったり自分の心だったり、過ちだったり、本当に大切なも
のだったり。色々なものを見失います。

大勢の友達に囲まれて楽しく過ごす、それ自体はとても素晴らしいことだと思います。だけど
集団の中にいるからこそ見えないものってのがあるのも事実なんです。集団心理というものが
働くことで、全てにおいてマジョリティが正義になったり理不尽が通ってしまったりします。

個としての人格を失い、集団の意思がまるで自分の意志であるかのような錯覚に陥る。それは
ある意味で自己洗脳のようなものかもしれません。集団の中にいながらそれぞれの個人をよく
観察する、なんてのはけっこう難易度高いことだと思いますが外から冷静に見ているからこそ
見えるモノや気がつくことがあるのかもしれませんね。

 


何もかも1人で乗り越えてきた、それがぼっちという名の主人公


この作品で一番好きなキャラを答えろと言われたら、僕は迷わず主人公を選びます。というの
もこの主人公の考え方が何一つ間違ってないからすごく共感したわけですね。人との交流を避
ける辺りそれが社会的に正しいかと言えば、それはまた別の話かもしれませんが、少なくとも
主人公が考える「人間の見方」はものすごく的を射ていると思いました。

 

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ずっと外から人を見てきたからこそ、孤独という圧力に屈してこなかったからこそ持っている
メンタルの強さが主人公にはあります。見た目は明らかにただの捻くれ野郎に見えますが、実
際は誰よりも「人の気持ちが分かる優しい人間」ってことです。

人の気持ちを理解するのって、自分もその立場を知らないとできることじゃないと僕は思うん
ですね。悲しみを知らない人に悲しんでる人の気持ちなんか分かるわけないし、楽しいだけの
人生やってきた人の発言は全て奇麗ごとでしかないし、そもそも無理なんですよ。

だから本当に相手の気持ちを理解できて、相手のことを本当の意味で考えた発言とか行動がで
きる人ってのは悲しみとか苦しみを自分も乗り越えてきた人だと思います。だから作品の中で
みんなの人気者キャラが正論っぽいことを振りかざすシーンがあるけど、全て薄っぺらい奇麗
ごとにしか聞こえないわけですね。実際そうゆう風に描かれています。

スクールカースト的な側面が描かれているのも、現実の人間関係にかなり近いものがあって、
とてもリアルに見えました。集団の中での立場関係、クラスという狭い箱の中での人間序列。
優位な立場にいる人間が何を言おうが、お前の立場からじゃ本質は何も見えてねーよレベルに
奇麗ごとのオンパレード。これがそのまんま僕らが生きてるこの社会に当てはまると思います。

 


何もかも正しいのに、それが間違ってるとされるのが子供の世界


主人公は長いこと1人で生きてきたこともあってか、周りの同級生に比べて精神年齢が格段に
上をいっています。加えて集団の中にとけ込まず外からその一部始終を見てきた傍観者である
ことからも、全てのものごとを客観的に見る目を持っています。

だから主人公は作品中で何一つとして間違った発言をしません。でもその発言が他のキャラに
は「間違ったもの」みたいな認識をされます。これが子供の世界の恐ろしいところですねー。
「何あいつ、うざくね?」「マジきもいんですけどー」という集団心理が働くことで、どんな
に正しいことを言おうが、逆にどんなに相手が間違っていようが自分が悪者にされる理不尽な
世界。社会で見ても、子供の世界では特に「大多数が正義」という暗黙の了解があります。

精神的に未熟な人間が大多数を占める世界では、影響力を持った人間の言うことが絶対でそれ
が正義になってしまいますよね。そりゃ集団が肯定されて個人が否定されるわけです。僕が学生
の頃にもそういうのは見られました。人気者が言うことは正義、集団から外れたら悪。そんな
雰囲気はいつも付きまとってた記憶があります。

僕は別に教育に詳しい学者でも何でもないので専門的なことはよく分かりませんが、集団に順応
する力も必要だとは思いますが、集団に順応するあまり個を見失うくらいだったらはみ出しもの
でいい気がするんですよねー。だって「この中にいるのマジしんどい」とか思いながら楽しそう
に振る舞うのとか地獄じゃないですか。ストレスでハゲますって。

たぶん先生や大人は「みんなと仲良くしなさい」とか言ってまとめて終わるんだろうけど、それ
ができないから外れてるってことを分からないわけだし。それを親にも友達にも先生にも分かっ
てもらえないから1人で耐えきれなくなって自殺してしまう人がいるわけだし。

大人が言う「周りに合わせる努力」ってのは確かに正しい一面もあるけど、それがある意味では
人を殺す言葉になっていることを分かってもらいたいですね。できないことを強要するのは違う
と僕は思います。できないことをやらずに済む道を探せばいいじゃないですか。

何で無理してまで絶対に適合できない世界に合わせなきゃいけないのか。この作品は、主人公の
そういった気持ちが描かれている少し大人なアニメだと思います。色々考えさせられましたね。

 


各キャラの人間性がそのまま現れたセリフが本当に素晴らしい作品


とまぁ長くなってしまいましたが、いかがでしたでしょうか?エンタメの紹介と言っておきなが
ら何やら難しい話になってしまいましたね。この作品の見所は何と言っても「各キャラのセリフ」
だと僕は思います。この性格、この考え方、この人間性だから出てくるこのセリフ。ってのが本当
にうまく表現されてる。特に主人公から見た他のキャラの分析は本当に素晴らしい。

最終話で、責任を放棄した文化祭の委員長に向かって主人公が思ったことを言い放つシーンがある
んですけど、それに対してみんなの人気ものキャラは「どうしてそんな言い方しかできないんだ!」
とか言ってキレます。いやいや、事実をそのまま言っただけじゃん。って本気で思ったくらい、各
キャラで思うことが全然違う。そして唯一すべて正しいことを言ってる主人公はいつも悪者扱い。

人気者キャラの奇麗ごとで主人公が悪者扱いされるのとか、本当にリアルの世界を忠実に再現して
ると思いました。1つ1つのセリフが人間ってものをよく表してるので是非とも学生さんとか親御
さんにも見てもらいたいアニメです。大人の視点、子供の視点、そういった自分とは違う視点を知
るのって大事だと思います。何はともあれ普通に楽しいアニメでもあるので見て損はなし!

ではでは、みなさん良きぼっちライフを〜。